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56.性教育を始めるのは何歳ぐらい

性教育は、子どもが生まれた時から、すでに始まっているといわれています。「性」という漢字を見てください。「りっしんべん」に「生まれる」と書きますね。これは、「心が生まれる」ということです。つまり「性」は、人間のいのちそのもの。男女の体の生理的な違いや生殖のしくみを教えるだけでなく、いのちの尊さを自覚させていくことが本来の「性教育」なのです。「心の教育」、あるいは「人間教育」ともとらえることができる性教育には、子どもの年齢や発達に応じて、次のようなポイントがあります。

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乳児期

体を清潔に保つ習慣を身に付けさせることが大切です。オムツを替える時など、「さあ、きれいにしましょうね。気持ちよくなったでしょ?」と話しかけるといいでしょう。「性器は大切な場所」という意識が子どもの中に自然に芽生えていきます。

幼児期

「ボクは、どこから生まれてきたの?」。こんな質問を投げかけてくる時期です。子どもは、「ボクはママの子かな?」「ママはボクを愛しているのかな?」ということが知りたいのですから、「ママのおなかよ。おなかの中で大きくなって生まれたの。ママ、うれしかったわ」と、愛情いっぱいの言葉をかけてあげてください。

児童期(小学校低学年)

父親との関係を知りたがります。性交については、おしべめしべの学習を通し知識もあります。親は、「人間も哺乳動物と同じだけど、一つ大きな違いは、お父さんとお母さんがあなたをほしいと神さまにお願いして、あなたが生まれたということよ」と伝え、「自分はかけがえのない存在である」ことを心に刻み付けてあげることが大切です。

児童期(小学校高学年)

女の子は初潮を迎えます。この時に、母親が心をこめてお祝いしてあげることが大切です。そして、「将来、ステキな母親になれるような生き方をしてね」と伝えてください。男の子には、「女の子は子どもを生む尊い使命があるのだから乱暴なことはしてはいけない」と教えなければなりません。

中高生期

異性に対する関心が強まり、男女交際も始まる時期です。しかし、このころの交際は「結婚への準備」ではありません。もしも、セックスという行為に至れば、 妊娠という結果が伴いかねないことをきちんと伝えましょう。望まない妊娠、中絶は女の子の心と体を傷つけます。男の子には、相手の立場を思いやり、自分の行動を律することの大切さをしっかり話しましょう。

このほかに、子どもの年齢、発達にかかわらず共通する大切な「性教育」のポイントがあります。それは、「豊かな心を育てる」こと。具体的には、「我慢する心」と「思いやりの心」「思考力(考える力)」を小さい時から育てておくことです。赤ちゃんの時、泣いたら必ずお母さんが応えてくれたなど、親からたくさん思いやりを受け取ってきた子どもは、人に対しても思いやりを示すことができます。豊かな心こそが、性教育の「基本中の基本」であることを忘れないでください。

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