78.小学5年の娘を塾に行かせようか迷っているが…
Q.長女が小学校5年生になり、クラスでは中学受験のため塾に通う友達が増えました。娘に尋ねると、「行きたくない」と言います。塾に通う子との学力差が開いて娘につらい思いをさせるのではと心配です。周りのお母さん方も通わせるべきだと言い、迷っています。
A.子を思うお母さんの気持ちはとても良くわかりますが、周囲に振り回されず目の前の子どもに学んでみてください。小学5年生はそろそろ思春期の入り口。自分で考え、自分で行動したいと思い始める年頃です。本人なりに一生懸命に考えているのですから、「今は行きたくないのね」と、まず子どもの気持ちを受け止めた上で、親は、自分の経験を生かし、考える材料を示してあげながら良く聞いてみることです。それでも塾には行かないと言えば、「きちんと考えているのね。お母さんは安心した」と受け止め、「もし塾に行く必要があると思ったら、いつでも話してね」と伝えます。あとは子どもに判断させ本人の選択に任せてください。
親の思いを押し付け、無理に塾へ通わせても期待通りの学力が身につくとは限りません。それよりも、やる気を持たせることが大事。そのためには、どんなところからでも、その子の良いところ、努力していることを認めてあげてください。授業参観や運動会では、家では見せないような頑張り・長所が必ず見えてくるはずです。勉強に限らず、友達に親切にしていたら「あなたは思いやりがあるのね。お母さん嬉しい」と人間としての素晴らしさをたたえることが大切です。子どもは、誰かが認めてくれて喜んでくれることで、やる気を発揮していけるものなのです。私たち親は、行く・行かない、やる・やらない、というように、子どもの表面だけを見て、心を見過ごしがちです。子どもに学び、聴くことで子どもの考え方や本心が見えてきます。親は子どもの心を尊重し、「あなたならきっと大丈夫」と、背中をひと押ししてあげるだけでいいのです。それが生きる力を与え、子どもを自立に向かわせます。