69.夫との会話がない息子の家庭内暴力
Q.25歳の息子の家庭内暴力が悩みです。息子が大学受験に失敗した時、夫が「就職か専門学校か」と選択を迫ったのがきっかけでした。私はずっと、息子の暴力に耐えてきました。暴力は徐々に収まり、息子は現在、料理学校に通っています。もうすぐ就職試験ですが、夫は「失敗したらまた暴れるのでは」と心配しています。夫と息子との間には会話がほとんどありません。
A.暴力に耐え、今、息子さんの暴力が収まりつつあるとのこと。お母さん、よく努力されましたね!そこで、ご主人にも協力して頂くことを強くお勧めします。なぜかというと、男の子の暴力は、父親との関係が修復できない限り、問題解決は難しいからです。ぜひ、ご主人に「あなたの力が必要です」とお願いしてみてください。
もしも、父子で会話の時間を作ることが困難であれば、毎日の生活の中で自然に言葉が交わせるような雰囲気づくりをお母さんが心がけてください。例えば、息子さんに料理を一品、作って頂き、家族で食べてみてはいかがでしょう。そしてご主人に、「うまかったぞ」と息子さんに声をかけて頂くことや、朝のあいさつ等、最初は息子さんからの返事はないかもしれません。それを覚悟で、息子さんの心が開き「話してみようかな」という気持ちになるまで、声をかけ続けていくことが大切です。どうしても、ご主人の協力が得られない場合は、ご主人が信頼を寄せている人物に、関わって頂くとよいでしょう。妻に言われて聞き入れられないことも、第三者の言葉には、意外と素直に耳を傾けることができるものです。
暴力は、ふるう側もそれを受ける側も心身を傷つけていきます。暴力をふるって、心穏やかでいられる人など一人もいないのです。
かつて自らの発言で息子さんの心を傷つけてしまったことはご主人も良く心得ているはず。
これ以上、息子さんを傷つけないためにも、「就職試験に落ちたら暴れるのでは」という疑心は持たないこと。息子さんを苛立たせるだけです。今後の選択は息子さんを心から信じて息子さん自身にまかせることです。息子さんは一人の人間です。子ども自身の選択を信じ、見守り、祈ることしか親の出来ることはありません。状況は必ず変化します。ご主人と力を合わせ、息子さんの心に寄り添ってあげてください。