02.娘が「学校に行きたくない」と言う理由を知りたい
Q.二か月程前から、5年生の娘が「学校に行きたくない」と言いだしました。理由を言わないので「早く行きなさい」と言っていましたが、先日、「絶対に行かない」と言って泣きだすのです。その日は仕方なく休ませましたが、次の日も「行きたくない」と泣きます。娘の手をひっぱって学校に行き、先生に相談しましたが「いじめではない」とのことでした。その後も、朝になると「行きたくない」とぐずります。理由が分かれば対処の仕方もあると思うのですが、どうしていいか分かりません。
A.子どもに「学校へ行きたくない」と言われると、親はどうしていいか分からなくなりますよね。何とかして学校に行かせたいから、「どうして」とまず理由を尋ねてしまいます。でも、理由を探るよりも、行きたくても行けないという子どもの切ない思いを感じてあげてほしいと思います。
「行きたくない」と言ったとき、「どこか痛いところでもあるの?」とおなかに手をあてる。おでことおでこをくっつけてもいいですね。そしてグッと抱きしめる。これだけでも、子どもの心は安定して学校に行けることもあります。それでもだめなときは、「行きたくないのなら、お休みしようか? 先生にお願いしてみるからね」と言って、その日は家のお手伝いをしてもらいながら一緒に過ごしてください。そのうちに、自分から理由を話しだすこともあるでしょう。でも、話さないからといって、無理に聞こうとしないでくださいね。
理由を言わない子どもは、日頃から、お母さんに「どうなの? どうしたの?」と問われている場合が多いのですが、あなたはこれまでどう接してきましたか? 子どもは親に「何よ、そんなことぐらいで」と言われるのが嫌だから話さないのです。大人にとってはつまらない理由でも、本人にとっては重要なのですから、「そんなことがあったらお母さんも嫌だな。今日までよく頑張ったね」と心を受け止めてあげてください。
理由がなかなか分からないときは、お子さんの友だちや友だちのお母さんたちに様子を聞くのもいいでしょう。子どもは親に自分のことは話さなくても、友だちの話はけっこうしているものです。
理由が分かれば、先生にも積極的に相談した方がいいですね。不登校は親が一人で抱え込まない方がいいのです。不登校は子ども自身が乗り越える力を身に付けなければ解決できませんが、親の援助が必要です。お子さんの今の苦しさを一緒に感じることから始めてください。
Point.子どもの思いになる
子どもの話を聞くとき、「学校に行かせたい」という気持ちではなく、「今、この子はどんな思いをしているのだろうか。それを理解したい」という心でいたいものです。