Q215.「屁理屈って言っちゃだめなの?」と泣いた息子。どう受け止めてあげればいいですか?
小学5年生の息子の母親です。
息子は家に帰るとすぐ、ランドセルを自室に置かず、あちこちに置いてしまいます。
きちんとした性格の父親からいつも注意を受けています。
その際息子は「だって〇〇なんだもん」と口答え、父親から「屁理屈を言うな」と毎回怒られます。
ある日息子が「屁理屈って言っちゃだめなの?」と泣きながら訴えてきました。私は言葉の意味を伝えましたが、納得してくれませんでした。息子は「屁理屈」という言葉が心の傷として残ってしまうのではないかと思っています。また、父親と接するときに緊張している様子が見られます。
今後、どのような関わりや言葉がけをしてあげればよろしいでしょうか?

A:子どもの『だって』にはちゃんと理由があります
お子さんがあなたのもとへ泣きながら駆け寄る姿は、日ごろから愛情をかけているからこそ築かれている、信頼関係の現れではないでしょうか。しかし、心に傷を負ってはいないかと心配になりますよね。
整理整頓をする、物を大事にする、自分の非は素直に認め反省するなど、子どもに身につけてほしいことがお父さんにはたくさんあるのでしょう。子どもが社会に出たときに困らないように、という親心だと思います。しかし、それが一方的で威圧的な物言いだと、子どもに恐怖心や嫌悪感を抱かせるだけになりかねません。そんなお父さんを否定するのではなく、ご自身がどのように子どもとふれあえばよいかを考えるあなたは、とても優しくて誠実な方だと思いました。
子どもの言動には必ず意味があります。息子さんの「だって」という、屁理屈の理由を聞いてみてはいかがでしょうか。それだけでも子どもは嬉しいものです。
その上で、お父さんの願いを息子さんが納得できるように、お母さんが伝えてみましょう。
厳しさも優しさも、息子さんの未来につながっています
お母さんは自分の味方だと信じられるだけで、息子さんは安心して生きていけます。子どもを厳しくしつけてくれるお父さんと、優しく温かく見守るお母さんと、両方のバランスが取れていることは、お子さんの成長に大事なことです。どちらも厳しいと子どもは安心できる居場所がなくなってしまうし、どちらも甘いと「何が正しいのか」を判断する力が子どもには育ちません。お父さんが厳しい役を引き受けてくれるおかげで、あなたは思いっきり優しい役に徹することができます。それはとても幸せなことだと思いますよ。
これから社会に出る子どもは、いろいろな人との出会いで様々な体験をします。お父さんの厳しい言葉の奥にある思い、お母さんの優しさ、一つ一つが活かされ、子どもの生きる力になっていくのではないでしょうか。

