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Q166.「繊細さん(HSP)」の息子にどう接すればいい?

中1の息子のことでご相談します。息子は小さいときから疲れやすく、学校から帰ると外に遊びに行かず、家でじっとしていることが多い子でした。学校で先生に注意されたりすると、とても落ち込みます。「先生がこわい」と言い、他の子が注意されているのを見るのも「胸がどきどきする」と言っていました。それでも小学校まではがんばって登校していたのですが、中学に上がり、先生の指導や言動が厳しくなったことが、息子にとってとてもつらいようです。

さらに、コロナ禍が加わり、感染が怖いので、密になる学校には行きたくないとも言っています。朝になると「体がだるい」と言って、学校に行けないときがしばしばあります。最近知った「繊細さん(HSP)」という特徴に、よく当てはまると思います。このまま不登校になってしまうのではないかという心配もあります。息子とどう接していけばよいのでしょうか。

A.お母さんと息子さんは正直に話し合うことができる素敵な親子関係ですね

お母さんは、息子さんのこれまでの様子や中学に入ってからの様子など、とてもよく理解していらっしゃいますね。息子さんも、その時々に感じていることをお母さんに正直に話せる、とても素敵な親子関係を築かれていると思います。

最近よく「繊細さん(HSP)」という言葉が世間で聞かれます。これは1996年に心理学者であるアーロン博士によって発表された「Highly Sensitive Person(ひといちばい敏感な人)」という概念ですが、これは、子どもの5人に1人は該当すると言われています。HSPの敏感さは、病気でも障害でもなく、単に生まれ持った気質によるものと言われます。生まれつき非常に敏感な感覚や感受性を持っているために、刺激をうけやすく些細なことが気になってしまうのです。

お母さん自身がお子さんの良さを認め、あるがままの息子さんを誇りに思うことが大切です

お母さんは、これまで息子さんの敏感な感受性を認め、受け入れて寄り添い、息子さんもお母さんの励ましによって学校生活を頑張って送ってきたのではないでしょうか。他の子が注意されているのを見るのも「胸がどきどきする」と感性が豊かで人の気持ちを敏感に感じ取り、深く共感することができる息子さん、それは同時に「優しく、想像力が豊かで、深く考える力がある」とも言えるのではないでしょうか。「敏感すぎる」という面だけをみるとネガティブなイメージが強いですが、「些細なことにも気が付き、慎重に考え、最終的には対局を見ることができる」人は、これからの社会で必要とされる人材です。息子さんがHSPであってもそうでなくても、お母さん自身がお子さんの良さを認め、あるがままの息子さんを誇りに思うことが大切です。その心がお子さんに伝わるのです。心配ばかりしていると、その心を息子さんは敏感にキャッチし、心が不安になってしまうのではないでしょうか。

A.お子さんの感じ方や意見を尊重し、自分は自分でいいんだという安心感が自己肯定感へとつながります

学校を休みがちではこの先が不安、というお母さんの心配も分かりますが、「コロナ禍による感染が怖いので、密になる学校には行きたくない」という息子さんの意見も、もっともな事だと思います。このコロナ禍により、学校のあり方も変わろうとしています。登校して勉強するだけではなく、オンライン授業を取り入れる学校も増えてきました。これまで同様に、お子さんの感じ方や意見を尊重し、「そう思うんだね」と共感すれば子どもの心は安心します。この安心感が「自分は自分でいいんだ」という気持ちにつながり自己肯定感となるのです。大丈夫、あなたは素晴らしい息子さんをお持ちのお母さんです。その都度、息子さんの心を聞いて、相談していけば良いと思います。

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