Q211.高校生の息子、政治に対する過激な発言が増えて心配です
17歳(高校3年生)の息子を持つ母親です。最近、息子が政治や世界情勢に興味をもちはじめ、よく批判的なことを言ってくるのが気になります。私自身は社会的なことや政治のことに疎く、よくわからないので、発言内容を過激に感じてちょっと怖いような気がしています。来年は選挙権が与えられる年齢になるので、思想が偏ったりせず、広い視野をもってほしいのですが、どうかかわっていけばよいでしょうか?
A:批判は成長の証!思春期らしく社会を見る時期です
17歳というと、息子さんは思春期真っただ中。社会問題に興味をもちはじめたことに成長を感じつつも、熱くなって発言が過激になることにびっくりしているお母さんの戸惑いが伝わってきます。きっと、ご家庭ではなんでも自由に話し合いができる雰囲気があるのですね。
高校生期は、社会や親を客観的な目で見ることができるようになり、理想像と現実を比べて批判してくる時期です。精神面でのたくましい成長のときとも言えますね。ただ、思考力は大人並みになってきても、まだまだ経験が不足しているので、視野が狭くなりがちです。「偏った情報に振り回されているのでは…」というお母さんの心配もごもっとも。情報があふれかえっている今は、大人でさえその精査に迷ってしまいます。そのなかで、子どもたちが何をどんな基準で考え、どこに向かっていくのか。見えないからこそ、不安になりますよね。
まずは家族での対話の場をつくりましょう
息子さんは自分の主張を他の場所でそのまま言おうとしているわけではありません。まずは安心して言えるお母さんに試しているのです。ですから、慌てなくても大丈夫です。
息子さんの感情が高ぶっているときには、お母さんは肩の力を抜いて「そんなふうに世の中のことを考えられるほど、あなたも大人になったんだね」と、まずは認めてあげてください。
そして、「あなたはどうしてそう感じたの?」「そう思っているんだね」と、質問をしながら息子さんの思いをよく聞いてみましょう。
話の中には、短絡的だったりと、未熟な面もあるかもしれませんが、否定せずに聞いていくうちに、なぜその問題に興味をもったのか、どのような心理から批判しているのか、息子さんの心の奥にある願いや大切にしているものが見えてくるはずです。
息子さんも、お母さんが否定せず興味をもって話を聞いてくれることで少し冷静になって、自分の考えを振り返り、深めることにつながると思います。
このことをきっかけに「お父さんはどう考えているんだろうね?」とご主人も巻き込んで、家族で一緒に社会を見ることができたら、お互いに視野が広がり、お母さんにとっても、今までにない学びになるかもしれません。