Q169.妻と娘のケンカ、どちらの味方をするべき?
普段から、妻と高校生の娘がよく口喧嘩をしています。聞いていると大した内容ではないのですが、妻の言い方がかなり理詰めでキツいので、大人の都合で怒っている母親には勝ち目がないと思うと、つい娘の味方をしてしまいます。職場で何人かの既婚男性に聞いたところ、口をそろえて「娘の味方」とのことでした。自分も今まではそうでしたが、そうすると妻の機嫌がさらに悪くなります。娘の幸せと妻の幸せ、どちらも大切にしたいのですが、父親としては、こんなときどうしたらいいのでしょうか?
A.家族の幸せを願い、自分にできることを考える…とてもやさしいお父さん!
あなたは、なんてやさしいお父さんなのでしょう! 「自分には関係ない」と、その場から逃げるお父さんもいる中で、夫として父親として、奥さんと娘さんに向き合おうとしています。さらに、奥さんと娘さんそれぞれの幸せを大切に考えている、すばらしいお父さんです。
そのままで大丈夫です!と言いたいところですが、喧嘩に遭遇するたびにお困りのようなので、どうしたらよいのかを一緒に考えてみましょう。
母と娘の思いのギャップは、順調な成長の証
奥さんと娘さんの激しい言い合いを聞いているのは、お父さんにとっては苦しいことだと思いますが、感情が高ぶっているとき、人は冷静な判断ができないものです。そのときにお父さんが何を言ったとしても、火に油を注ぐことになりそうですね…。
そこで、その場では仲裁に入らず、静かに見守ってみましょう。そばで冷静に見てくれている人がいることは、ヒートアップ中の二人にとって、ありがたいことだと思います。
また、奥さんの言い方を理詰めできついと感じているとのことですが、そこには、娘さんにわかるように筋道を立てて、一生懸命伝えようとしているお母さんの思いがあるのではないでしょうか。
そして娘さんは、自分で考えて自分で行動したい、認めてもらいたいという思春期特有の強い自立心が育っています。だからこそ、お母さんの思いと娘さんの思いにギャップが生まれぶつかり合いますが、これは、娘さんが順調に成長している証です。
“どちらかの味方”でなく、二人にとっての心の架け橋に
二人の感情が少し落ち着いてきたところで、お父さんの出番です。
娘さんに声をかけて「君にも自分なりの考えがあるんだよな」とまずは娘さんの思いを認めてあげましょう。その上で、「お母さんは、君のことが心配でしょうがないんだね」と、お母さんの言葉の奥にある、娘さんを心配する心を伝えてあげてください。
そして、奥さんにも声をかけ、「反抗期の娘と毎日向き合うのは大変だよな。ありがとう」と感謝を伝えましょう。自分の気持ちを認めてもらえた安心感で、奥さんも日ごろの思いをご主人に打ち明けられるかもしれません。
これをきっかけに、ご夫婦でたくさん会話ができるといいですね。
“どちらかの味方”ではなく、奥さんと娘さん二人の心を結ぶ、架け橋になる。それは、家族の幸せを大切にするあなただからこそ、できることだと思います。