Q189.息子が夏休み明け学校に行きたくないと言っています。どうふれ合えばいいでしょうか?
中学2年生の息子が夏休みの終わりに落ち着きがなく、声をかけてみたところ「2学期から学校に行きたくない」と言っています。話をしてみましたが、詳しく教えてくれません。数日後、ママ友から、1学期の間にグループから外されていることを教えてもらいました。時々、暗い顔をしてぼーっとしています。9月1日は学生の自殺者数が1番多い日とニュースで見ました。もしかしたら息子もそうなってしまうのかと心配です。どのように関わったらいいでしょうか。
A.息子さんの辛い思いを察して、力になってあげたいというお気持ちはよくわかります
ご本人から「学校へ行きたくない」と言われ、ママ友からはそのような話を聞いたら、心配で不安になるお気持ちよくわかります。また、長期休暇後の子どもの自殺については、ニュースなどで取り上げられていて、社会的な問題にもなっていますよね。ですから、どうにかして、子どもの辛さを和らげてあげたい、何とかして学校へ行けるようにしてあげたいと考えるのは当然のことだと思います。
ところで中学生期は、身体的にも精神的にも大きな変化が現れ、自立していくように見えますが、心の中では親を求め、しっかりと結びつきたいと思っている時期です。自立と依存のはざまで揺れながら少しずつ親離れてしていきます。
そして、自分でもつかみきれない心の葛藤があるため、詳しく話をすることができないことも往々にしてあります。
息子さんが安心できる場所をつくってあげることが大切です
さらに、この時期の子どもは仲間といることが楽しく、親や先生に言えないことも、仲間同士で話すことで心の安定を保っています。ですから、何よりその繋がりを大事にします。そのため、グループから外されるということは、子どもにとって、とても辛く、心が大変不安定になります。今は、子どもの心が安定するようなふれ合いと、安心して依存できる場所づくりが大切です。
例えば、子どもの好きなものを作ってあげたり、おいしいスイーツを一緒に食べたり、普段から何気ない会話を心がけ、子どもの考えを認めながら、親子の関係性を紡いでいってください。そうすることで、「ここにいていいんだ」という安心感から、自分は尊い存在であり大切にしたいという自尊心が育まれ、少しずつ、一歩踏み出してみようという勇気が湧いてきます。
まわりには、あなたの応援団がいます
今回の不安を乗り越えるカギは、お母さんが一人で悩まないということです。ご主人やご家族、ママ友などに気持ちを聞いてもらいましょう。心配や不安から気持ちが焦ると、無理やり原因を聞き出そうとしたり、学校へ行かせようと無理強いしてしまいがちです。そのようにふれられると、子どもは自分の殻に閉じこもってしまいます。お母さんが、安定した心でふれ合えば、子どもの心も安定して、心の内を話してくれるようになります。
お母さんが異変に気づき、声をかけられたことで、お子さんとの関係が少しずつ変化していると思います。このように心を離さずに、見守り続けてあげましょう。また社会には、話を聞いてくれる相談窓口や子どもの居場所になる図書館などもあります。お母さんも息子さんもけっして一人ではありません。私たちも応援しています。