15.息子のお菓子好きをやめさせたい
Q.2歳の二男はお菓子が大好きです。六歳の長男が食べると、同じ分量をほしがります。また、親が騒いでほしくないと思う場所でお菓子をせがむので、黙らせるためについ与えてしまいます。お菓子を与え過ぎるせいか、ご飯のときには立ち上がったり寝転んだりで、食事に集中できない状態です。
A.不思議なもので、子どもは大勢の人が静かにしていなければならないような所でおねだりをします。ほしがれば必ず与えてくれることをあたかも見通しているようで、親は閉口しながらもつい与えてしまいます。子どもは親の心情をよく見ているものですね。
しかし、子どもをおとなしくさせるためにお菓子を与えていたのでは、しつけになりません。食べ物を行儀よくいただく習慣を身に付けさせるには、やはり普段からの触れ合いが大切です。
「さっきあげたでしょ!」などと怒ってその場を収めても、子どもはまたほしがります。それよりもまず、”ほしいのだな”と、おねだりする子どもの気持ちに共感してください。その上で「我慢できるよね。お利口さんだもの」と、子どもの我慢する心を信じて話してみてください。我慢ができたら満面の笑顔で「お母さん、うれしいよ」と喜んであげるのです。
子どもは自分のしたことでお母さんが喜ぶと、また同じことをしたくなります。反対に、自分のしたことでお母さんが悲しむと、もう同じことはしたくないと感じます。お菓子を我慢するとお母さんが喜ぶ(我慢できないと悲しむ)という触れ合いを通して、子どもは「我慢」をまなびます。
お菓子の時間は10時と3時などと、ルールづくりも必要です。その場合、子どもだけに守らせるのではなく、親も守る努力をしなければなりません。また、適量を与えられるように子どもをよく観察し、袋に入ったままでなく、お皿に盛って小出しにすることが大切です。
食事中に行儀が悪い原因はお菓子の食べ過ぎばかりではなく、物を口にするときの態度が習慣化している場合も考えられます。「ちゃんと座りなさい!」と命令するのではなく、「ここはあなたの場所よ。お母さんに座って見せて」とお願いしてみてはどうでしょうか。同じ結果を求めるのにも、「愛語」を使うと子どもの心に響きます。
Point.忍の一字
行儀良く食べ物をいただく習慣は訓練によって身に付きます。ですから、繰り返し同じ触れ合いをしていく以外にはなく、お母さんにも「我慢」が必要です。逆に言えば、子どものおかげさまで、親が我慢の心を育ててもらっているのです。