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Q192.子育てをしていると、親に愛されなかった自分を思い出し、悲しくなります

2児(2歳、5歳)の母です。子どもたちのことはとても愛おしいです。が、子育てのふとした瞬間に、自分の親との関係が思い出され、どうしようもなく悲しい気持ちになります。私の父母はとても厳しく、怒られた記憶しかありません。生活態度、勉強、友人とのつきあい、進学、恋愛など、子ども時代のあらゆる場面で、常にダメ出しをされ、叱責されました。親を怒らせないように、親の顔色をうかがい、親の言う通りに生きることに一生懸命でした。結婚して親から離れることができ、ようやく自分の人生を生きている実感がありました。しかし、子どもが生まれ、自分が親になってみると、「私はこんなふうに優しくしてもらえなかった」「こんなふうにわがままを言えなかった」「こんなときは怒鳴られ、叩かれた」と自分の幼い頃の辛さが蘇ってきます。突然涙が出てきたり、子どもと接するのが辛くなったり、子どもが羨ましくて仕方ないときもあります。そういう私を見て、夫は心配してくれますが、本当のことを話すと、自分も、自分の親も、軽蔑されそうで相談できません。何かアドバイスをいただけるとうれしいです。

A.懸命に生きてきた幼い頃の自分を抱きしめてあげて

幼い頃の記憶はあなたにとって辛いことが多かったようですね。とても厳しいご両親に従って懸命に生きてきた幼いあなたの姿をお話の中から想像いたします。

あなたがそうであったように、子どもは厳しく叱責されるようなことが続くと、親の顔色をうかがうようになったり、親の言う通りにしなければと思うようになるものです。

それは何故でしょうか。幼い子どもにとって、親がすべてのよりどころだからです。そして、どんなに叱責されようとも、親のことが大好きだからです。あなたが懸命にそうして生きてきたのもその証ですね。きっと自分がそうすることで、大好きな親を怒らせないようにし、少しでも穏やかな気持ちでいられるというあなたなりの生きるすべだったのではないでしょうか。本当に健気で涙が出てきます。

まずは懸命に生きてきた幼い頃の自分の心を自分でいっぱい抱きしめてあげてください。その頃の自分の気持ちを思い出して、あのときは悲しかったよね、もっと優しくしてほしかったよね、辛かったよね、と。当時の素直な気持ちを抱きしめてあげると、親のことが大好きでそうしていた自分にも出会えるのではないでしょうか。

昔も今も、あなたは本当に頑張り屋さんです

その後成長されても、あらゆる場面で常にダメ出しをされ、叱責されていたとのことですが、きっとその時々にも色々な思いを抱えながら、我慢したり自分をコントロールされたりしながら努力されて乗り越えてこられたのでしょうね。ものすごく頑張り屋さんのあなたなのだと思いました。

現在は結婚されて親になり、子育てをしている中で当時を思い出され、突然涙が出てきたり、子どもさんと接するのが辛くなることがあるということですが、お子さんが羨ましくて仕方がないと思ってしまうほど、今は親として、お子さんたちにご自分のような思いをさせたくないと懸命に努力されているのだなと思いました。それは、あなたがご自身の辛かったり悲しかったりした気持ちを大事にしているからこそできることなのではないかとも思います。

急がなくても大丈夫 きっと過去の経験が宝になる日がきます

ご両親に厳しく育てられたことは、あなたにとって辛い思い出かもしれません。でも今のあなたがそうであるように、ご両親の子育ての根底にもきっと、子どもであるあなたに幸せになってもらいたいという願いがあってそのように育ててきたのではないでしょうか。そのときのご両親の精一杯の愛情のかけ方だったのかもしれません。

過去を今から変えることはできませんが、過去を宝にすることは今からでもできます。それはそのことがあったからこそ、今があると思うことです。あなたも辛かった、悲しかった思いを乗り越えながら、学んできたことがたくさんあるはずです。急がなくても大丈夫。懸命に生きてきた自分を満足いくまで抱きしめてあげて、あなたがご自身の人生をそんな風に思える日がくることを心から祈っています。

その先に、ご主人に話ができたり、ご両親にあなたの気持ちを伝えたりできる日がくるかもしれませんね。

 

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