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77.5歳の長男がすぐキレるので困っています

Q.5歳の長男がすぐキレるので困っています。食事中、嫌いなものを残さないように注意したとたんに、蹴る、ぶつ、物を投げるといった具合です。「ばーか」と言われた時には、これが我が子かと思います。きちんとしてほしいので妥協せずに躾けるのですが、ああしろこうしろと叱ることが多いかもしれません。

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A.このころの子どもの発達段階は、本能我の時期で、「悪意のない自己中心期」といわれます。自分の思い通りにいかないと、とても悔しくなってしまうのが特徴の一つ。感じていることをうまく言葉で表現できなかったりすると、心にモヤモヤしたものを感じ、かんしゃくを起こしがちなのです。もう一つ考えられることは、子ども同士の中で通用してしまうことが大人にも通用すると思い込み、「ばーか」などと言ってしまうこともあるのです。

しかし、わが子から「ばーか」などと言われたら、心中は穏やかではありませんね。つい怒りがこみ上げてしまうかもしれません。ところが、かんしゃく玉をぶつけ、感情を正直に出せる環境があることは、子どもにとってはとても大切なことなのです。その意味では、親子関係はむしろ良好といっていいでしょう。相手を信頼しているからこそ考えや感情をぶつけられる――それは大人も子どもも変わりません。

では、かんしゃくを起こした場合にどうするか。こんな時お母さんに最も必要なことは、冷静に子どもの心を受け止めることです。幼稚園の中で何かあったのかもしれません。また日頃、お母さんに厳しく言われていることで、愛情に対する欲求不満があるのかもしれません。その心の実態を知る為にも、子どもの心に耳を傾けて、良く聴いてあげて下さい。「どうしたの?お母さんのどこがばかなの? 教えてちょうだい」と、相手に考えさせ、自分のやったことがどんなことなのか、何が悪かったのかを、お母さんも一緒に考えてみてあげることも良いと思います。そして、子どもが納得できるように、「蹴ったら、お母さん痛いよ。あなただって痛いでしょう。止めようね、できるものね」などと、静かに触れ合うことが大切です。

嫌いな食べ物をなくすように躾けるときにも、「あなたのために言ってるのよ!」「ちゃんと食べないとビタミンが摂れないよ」と言っても効果はありません。それよりも、「食べてほしいって言っているよ。食べてくれるとお母さん嬉しいな」と子どもの気持ちに訴えかけます。この時期の子どもは、すべてのものに心があると感じる感性(汎心論)があります。繰り返し言われているうちに、本当かなと感じ始めます。ほんの少しでも食べられるようになったら、「野菜がうれしいって言ってるよ。お母さんも嬉しい」などと話してあげられるといいですね。

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