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Q202.5歳の息子からの、人の見た目についての質問に困っています。

5歳の息子は、いろんなことに興味が湧き、言葉も達者になってきて、質問の嵐です。私が返答に困るのは、人の見た目についての質問です。「なんでおじいちゃんは禿げてるの?」「なんでおばあちゃんの顔にはリンゴの腐ったのがついてるの?(顔のシミのこと)」など。身内の者ならまだしも、保育園のお友達のママについて「どうしてママじゃなくておばあちゃんがお迎えに来るの?(少し高齢のママ)」、車椅子の人をじっとみて「どうして歩かないの?」、大柄でボーイッシュな女の子をみて「あの人は男なの?女なの?」など、ご本人にも聞こえるような大きな声で聞いてくることもあります。ごまかしてちゃんと答えないと、何度も聞いてきます。最後は「相手が嫌な気持ちになるからそんなことを言ったらダメ」と口を封じてしまいますが、私のこのような反応は何か違う気がしています。こういうとき、子どもに何をどう伝えたらよいでしょうか。

A.子どもの「知りたい」という気持ちを大切に

知りたいと思ったことを、次から次へと質問してくる息子さんの行動にドキドキ、ハラハラしましたね。こういうことはどこのお母さんも経験があるのではないでしょうか。

あなたはきっと日頃から息子さんの好奇心を大切に子育てされているのでしょう。「口封じしてしまうことに違和感がある」ことからも、お子さんに真摯に向き合いたいと願う素敵なお母さんだと思いました。

幼児期はまさに「質問期」と言われ、知識欲が盛んになるときです。また、5歳になればお母さんのいい加減な答え方には納得がいかなくなります。

子どもの質問は知識の入り口でもあり、思考活動の糸口でもあります。質問しながら自分の中の感受性を育てます。質問攻撃に応じるのは大変ですが、どうかできるだけ向き合ってあげてください。理屈で正しい答えを出そうとしなくてもいいのです。「どうしてそう思ったの」と一緒になって考えてあげることも大事です。子どもの「知りたい」という気持ちを大切にしながら、お母さん自身の豊かな情感で精いっぱい共感して答えてあげましょう

A.質問への共感とともにあなた自身の視点をプラス

息子さんの質問に、あなたはどんな思いを抱きましたか。息子さんの口を封じてしまうということは、「困った質問」、「相手に失礼な質問」と否定する気持ちが湧いてきたのではありませんか。

息子さんが見える世界を否定してはいけません。「あなたにはそう見えるんだね」「あなたは不思議に思うんだね」と受け入れた上で、「お母さんにはこう見えるよ」「お母さんはこう思うよ」と、お母さん自身の視点を伝えてみてはいかがでしょうか。

おばあちゃんの顔のシミが「リンゴの腐ったの」に見えることを「そんなふうに見えるんだね」と寄り添いながら、「あれは、おばあちゃんの長生きのしるしだよ。お母さんにももらえるかなあ」など、子どもの素朴でストレートな表現とは別の表現を提示してみては。あなたの優しく、ユニークな視点の見せどころです!

また、容姿に関する言葉は、相手が傷つく可能性があることを伝えてください。「相手が嫌な気持ちになるからそんなことを言ったらダメ」と言うあなたの心はどこから起きたのでしょうか。人間、姿形が違えども皆心をもっています。容姿のことを言われて傷ついた経験は、だれもがあるでしょう。
「人が嫌がること、傷つくことは言ってはいけない」―そこには人を傷つける息子さんになって欲しくないという、あなたの思いが表れているのではないでしょうか。その思いを、きちんと息子さんに伝えてみましょう。

子どもの質問はどんな質問でも、大切な言葉と思いを交し合えるチャンスをくれますよ!

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