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32.子どもに友だちができないのですが…

Q.引っ込み思案なのか、4歳になる長男は友だちの輪になかなか入っていくことができず、友だちにちょっかいを出されても、何も言い返せません。子ども同士のことなので、親の口出しははばかれますが、一度だけ「お友だちに声をかけてみたら」と言ったことがあります。励ましたつもりでしたが、子どもの心を傷つける結果になってしまったのか、最近では私の顔色をうかがうようになりました。

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A.親であれば、友だちと仲良く遊ばせたい。そして、たくましくなってほしいと願うものです。それも愛情の表れには違いないのですが、子どもの心は、叱られるのではないかという不安でいっぱいです。親の顔色をうかがうようになったことがそれを表しています。

子どもの生きる力を育むために、親がしてはいけないことがあります。「指示」「命令」「干渉」「支配」「強制」「管理」などがそれです。身に危険が及ぶとき、人に迷惑をかけたときなど、緊急の場合を除き、普段の生活のなかでは抑えるように努めましょう。子どもの自立を妨げ、可能性を狭める原因となります。子どもはますます消極的になり、友だちとのコミュニケーションもうまくいかなくなります。

子どもの遊びは成長にしたがって「傍観遊び」「平行遊び」「ケンカ遊び」「連合遊び」「協力遊び」と変化していきます。あなたのお子さんは今、友だちと一緒にいてもそれぞれが別の遊びを楽しむという「平行遊び」なのかもしれません。

今は見守りながら、子どものあるがままを見てください。友だちの輪に入れない、何も言い返さない――その瞬間の子どもの気持ちを感じ取ろうとしてみてください。必ず、子どもの持ち味と頑張りが見えてくるはずです。

持ち味と頑張りが見えたら、それを認めてあげるだけでいいのです。たとえば、子どもが友だちの輪に入れなくても、遊びたいと思って出かけたことが分かったら、「今日はお友だちと一緒で良かったね」と認め、「きっと明日は遊べるよ」と祈りを込めて伝えればいいのです。決して、「どうしてできないの!」などと叱ってはなりません。子どもはお母さんに認められると、自信を持ちます。自信が持てると積極的に振る舞えるようになりますよ。

Point.愛情を正しく届ける
友だちの輪のなかにすぐに入っていけないこと、友だちに言い返せないことを「だめ」と見ていませんか。「私だったらこうするのに」と、お母さんがいくら思っても、それは親の価値観、物の見方の押し付けになってしまいます。どんな小さなことでも認め、自信を持たせ、きっとできると信じながらの触れ合いが、お母さんの愛情を正しく子どもに伝えることになります。

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