93.通塾の送迎を嫌がる小学5年生の娘
Q.小学5年生の娘から「塾に通いたい」と言われたことをきっかけに、娘の塾通いが始まりました。時間帯が夜の6時から7時半なので、母親の私が送迎をしています。ところが迎えに行くと「一人で通える!」と不機嫌になります。しかし、まだ小学生の娘を一人で帰宅させることに抵抗があり、いろいろな事件を耳にするたびに、とても心配になります。どのように伝えたら、娘にわかってもらえるのでしょうか。
A.自ら進んで塾に行くと決断できる娘さんは、自分でできることをしっかりと考えて、前向きに歩もうとしています。「自分のことは自分でする」という自立の心が育っています。そういう娘さんに育てたお母さんは素晴らしいと思います。
子どもは成長とともに、少しずつ友達との時間を増やしていきますが、小学5年生というのは、親と過ごす時間よりも友達との関係を大事にしたいという時期にあたります。親や先生に相談できないことも、友達同士で話し合い、慰め合い、励まし合って、仲間意識を深めていきます。友達との触れ合いを通して、人として生活していくうえで大切なことを身に付けていくのです。
塾の帰りは娘さんにとって、お友達と過ごす大事な時間かもしれません。このことを通して、お母さん自身の行動が、過保護・過干渉になっていないか、見直すことも重要です。
また、親や先生に対する批判も生まれてきます。親からすると大変やりにくいことですが、子どもが世の中を正しく理想的に見ようとしている証拠ですので、ときには「生意気」と感じられる発言もあると思いますが、「うちの子も成長してきた」と認めて信じることが大切です。
娘さんとの日常会話のなかで、「塾は楽しい? 勉強頑張っているね。お友達はできた?」など、塾のことに触れながら、気持ちを聞いてみてください。そして、「あなたに何かあったらと心配でたまらない」という親の思いも伝えたうえで、塾の送迎をどうするか話し合うことが、親子にとっていいことだと思います。自分を大事に思ってくれるお母さんの心は、必ず娘さんに届くはずです。