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Q206.母の看病と息子の受験のダブルケアで、精神的にも身体的にも追い込まれています。

小6と中3の子どもをもつ40代のシングルマザーです。半年前に実母が末期ガンの宣告を受け、入院しました。父は若くに亡くなっており、一人娘の私しか母の身寄りはいません。娘としてちゃんと看病をしなくてはという気持ちとともに、あまり好きではなかった母の看病が苦痛でもあります。そして中3の息子は受験を控えていますが、勉強に身が入らない様子で心配です。母のことがあり、息子に向ける心や時間が減ってしまい申し訳ない気持ちとともに、こんなときだからこそもう少し自立してほしいと怒りがこみあげます。母も息子も一番つらいのは本人であることは分かっているのですが、二人のケアが急に重くのしかかってきてつらいです。「もうすべて投げ出したい」という気持ちが湧いてきます。後悔しないためには、いまどのように生きたらよいでしょうか。

A:こみ上げる気持ちを否定しないで

すべて投げ出したい状況のなか、よく頑張ってこられましたね。働きながら一人でお子さんたちを育てるのは、並大抵なことではありません。好きではないお母さまに対して、それでも時間をつくって看病しているあなたの姿、そして、受験を控えた息子さんを案じるあなたのご心情を想像します。

「二人のケアが急に重くのしかかってきてつらい」のは、二人とも大事にしたい思いがあるからではないでしょうか。こみ上げる気持ちを否定しなくていいし、投げ出したくなる気持ちが湧いても、どうか自分を責めたりしないでください。

息子さんの力を信じましょう

受験を控えた息子さんに、少しでも勉強してもらいたいという気持ちになるのは、親であれば当たり前です。思春期は、置かれた環境のなかで様々に刺激を受けながら、自分はどうしたいかを考え、模索しています。子どもは元々、様々な問題を乗り越える力を持っています。そういう力を必ず持っていると信じ、ふれあってみませんか。本人が本当に困ったときに、SOSを出せる関係さえあれば大丈夫!「何か心配なこと、困っていることはある?」と、忙しい中にもちょっとしたタイミングで、あなたのメッセージを息子さんに伝えていきましょう。その小さな積み重ねは、息子さんが人生の課題に立ち向かうときの支えになっていくことでしょう。

目の前にいる人に喜んでもらうことを積み重ねるという生き方

実母のガン宣告に心が動くのは当然です。「娘としてちゃんと看病をしなくては」の根底には、どんな気持ちがあるのでしょう。その気持ちをみつめることで、絡まった心の糸がほぐれていくかもしれません。

複雑な気持ちを抱えつつも、お母さまのために看病すること自体、誰にでもできることではありません。お母さまとの限りある時間を大切にしたいと願うあなたの気持ちがあればこそ、病院に足が向くのではないでしょうか。その瞬間その瞬間、何をすることで目の前の人に喜んでもらえるかを大事にしていくことが、「後悔しない生き方」に通じていくのではないでしょうか。

あなたは一人ではありません

すべてを完璧にこなすことはできません。大変なときは、周囲の力を借りることが大事です。まずはあなたの心身を健康に保つこと。それは、甘えではなく、子どものためでもあります。母親の心身の安定が、子どもにとって安心できる環境なのです。

お母さまの看護を見て見ぬふりをせず、子どもの受験に対してもフォローしてあげたいという大きな心をもつあなたが、娘であり、母親である家族は幸せだと思います。

心がいっぱいになった時には、信頼できる人に、話を聞いてもらうだけでも心が落ち着きます。相談できる人がいないということであれば、いつでも東京家庭教育研究所へお電話ください。心より、応援しています。

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