Q109.不登校の兄と小学生の弟の兄弟関係が心配です
現在中学生の兄が不登校で、家にいることが多い状況です。その兄に対し、「お兄ちゃんは学校に行かずに家で遊んでいられていいよな。俺はちゃんと学校に行けているから偉いんだ」と小学校6年生の弟がバカにしたようなことを言ってきます。
こんなとき、よい兄弟関係を保つためにどのようにふれ合ったら良いでしょうか。
A.お母さんの心が伝わってしまっていませんか?
仲の良い兄弟関係を築くために、ふれあい方を学ぼうとするあなたは、努力する素敵なお母さんですね。
子どもさんが思っていることを、遠慮なくそのままお母さんに言えるのは、よい親子関係が築けている証拠です。
それゆえに弟さんは、お母さんの心を敏感に感じとり、そのままを口にしているのです。お母さん自身がお兄ちゃんの不登校を、「困ったなあ、家で遊んでいるじゃない…。それに比べ、弟はちゃんと学校に行けているから偉い…」と見てはいませんか?小学生期は本音の時です。お母さんの心の様子は、知らず知らずのうちに子どもに伝わっていくものです。
理想の自分に向かって努力する時期
思春期に入り、心も体も急激に成長してくる中学生は、理想に向かって努力する時期です。自分を見ているもう一人の自分が現れ、自分はこれでいいのかと深く考えるようになるのです。お兄ちゃんも、今の自分と毎日懸命に、向き合う努力をしているのではないでしょうか。そして、弟さんも毎日精一杯努力をして学校に通っているのです。
それぞれの頑張りを認めて褒めてあげる
そんな二人の努力をお母さんがありのまま受けとめ、認めてあげることが大切です。弟さんには「本当にそうね。頑張って学校に行っているのよね」と言ってあげて下さい。誰でも心を受けとめてもらい、認められると、心が愛情で満たされ、安定します。
その上で、「お兄ちゃん、今まで頑張ってきたから、今ちょっと心も体も疲れているのかもしれないね…。お母さんは、あたたかく見守って応援しようと思っているのよ」とお母さんの気持ちを伝えて下さい。お母さんの温かなふれ合いによって、親子、兄弟の絆が今まで以上に深まっていくことと思います。
子どもと共にお母さんも成長する貴重な時間
日常のさまざまなできごとのなかで、つまずいたり、思い通りにいかないことや、わかっていてもできないもどかしさなどを味わうことは、私たちがよりよく成長するための貴重な経験です。人との関係を通してお互いに支え合い、思い思われていることを、子どもにも伝えながら共に成長していくことが何より大切なことです。