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21.息子が物を盗ったようなのですが…

Q.先日、同居している義父から「ときどき財布からお金が抜き盗られているみたいなんだが…」と言われました。どうも4年生の二男があやしいと言うのです。二男が義父の部屋から出て来るのを何度か見かけたそうですが、盗んだという確かな証拠がないのに息子を問い詰めることはできません。どうすればいいのでしょうか。

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A.息子さんに話をする前に、お義父さんに対して二つのことをされてはどうでしょうか。一つは「ありがとうございます」とお礼の言葉を伝えてください。息子さんの行動を教えてくれたこと、そしていつも息子さんを気にかけてくれることに対して感謝の気持ちを表していただきたいのです。「子どもが物を盗ったみたいだ」と言われると、親は自分が責められているように感じますが、お義父さんはあなたを責めたのではなく、お孫さんを心配するからこそ話してくれたのですから。

二つ目は、財布の置き場所を変えていただくようにお願いするのです。何度も盗られたのは、財布がいつも同じ場所に置いてあるということではないでしょうか? 大人は人の物を盗らないのがあたり前と知っていますが、人は何かのきっかけで心が動いてしまうこともあるでしょう。特に小さな子どもの場合には、物を盗らせない状況をつくることも大事です。

財布を移動し、お金がなくならなければ、子どもには何も言わないほうがいいでしょう。時機を見計らい、よその家の話として「Aクンのおじいちゃん、家のなかでお金がなくなって大騒ぎしたそうよ。うちでは、そんなことがないからありがたいわ。あなたは、良いこと、悪いことの違いは分かっているよね」と何気なく話すのです。もし、盗んでいたとしたら、それだけでも子どもの心はズキンとするはずです。

小学生の場合、盗んだことを責めるのではなく、「人の物を盗るのはいけないことなんだ」「こんなことをしたら、お母さんが悲しむんだ」と分かってもらうことが何よりも大切なのです。
「ぼくがやったんだ」と告白しても、「やっぱり、そうだったのね!」と責めずに、「よく話してくれたね。正直なあなたが好きよ」と、子どもの心を受けとめてから、「どうして、そんな気持ちになったの?」と話を聞いてあげてください。そして、「やってしまったことは仕方ないけれど、これはいけないことなのよ」と、じっくり話すのです。

親は、子どもを叱り、言い聞かせることが教育だと思いがちですが、それでは理屈で「いけないこと」と理解しても、心の底からは分からないでしょう。心から「いけないことだったんだ」と思えないかぎり、またやってしまう可能性があります。子どもの反省に心を促すのは、お母さんがどんな触れ合いをするかにかかっていますよ。

Point.犯人捜しをしない
お母さんが、「あなたは物を盗るような子どもではないと信じている」という気持ちを伝えることが大切です。もし盗っていても、なぜ、そういう行ないをしたのか子どもに聞きながら、人としていちばんしてはいけない行為をしたことを伝えてください。犯人捜しが目的ではなく、子どもに人間教育をするチャンスです。

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