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Q178.認知症のおばあちゃんを避ける息子、どうしたらいい?

最近、小学四年生になった息子が、友達を家に連れてこなくなりました。同居している主人の母(80歳)が認知症で、わけのわからない言動をとったり、家の中を汚したりしているのを、友達に見られるのが恥ずかしいようです。普段も母を無視したり、母が同じ空間にいると機嫌が悪くなったりします。

母の言動に、家族みんなが戸惑い、イライラすることが増えました。私は、家族なのだから、お互いを尊重し合い、温かい関係を築いていきたいと思っています。息子には、おばあちゃんをもっと大切にしてほしい、「恥ずかしい家族」と思ってほしくないという気持ちから、厳しく叱ったりすることもあります。私は息子にどのように関わっていけばよいでしょうか。

A.認知症のおばあさまを避ける息子さんも心のなかでは葛藤しているはずです

認知症のおばあさまとの同居は、あなた自身も大変な努力をされていることでしょう。誰でも老いて変化していくということは分かっていても、目の前の現象に心が乱れることは当然です。ましてや、小学生の息子さんが、変化していくおばあさまを受け入れられないのは、もっともだと思います。

息子さんが、自分の気持ちを遠慮なく出せるのは、おばあさまをはじめ、ご家族との信頼関係ができているからですね。そして、その信頼関係に甘えて、家族を傷つける言動を取ってしまっていることを、おそらく息子さんは自分でよく分かっているはずです。そしてその時々の心の痛みや後悔などを抱えながら、毎日を過ごしているのだと思いますよ。

おばあさまのお孫さんに対する思いや家族の気持ちも伝えてみましょう

あなたはすでに「あなたの言動はよくない」というメッセージを息子さんに伝えているのですから、家族を思うあなたの気持ちはちゃんと伝わっています。息子さんの態度を今すぐ変えようという気持ちよりも、家庭の事情を受け入れているからこそ呼びたい友達も呼ばないで我慢しているのかも、など息子さんの奥底の心情に心を寄せてみましょう。

子どもは親の姿を感じ取っています。仮におばあさまのことで家族がののしりあったりしている姿を見せているのだとすれば、息子さんの心を不安にする材料の一つかもしれません。毎日のふれあいですので、つい怒鳴ってしまうことも過激な言動になることもあるかもしれませんね。

おばあさまの人格を傷つけないように留意しながら、トンチンカンな言動を笑いにかえるくらいの気持ちで「そうくるか!?」「おばあちゃんにはかなわないね」などと会話をしながら家族同士の心のつながりを柔らかくする努力もしてみてはいかがでしょうか。

また、おばあさまの人生にもいろいろな時があったこと、いつも子どもや孫の事を思ってくれていることなどを、折に触れ夫婦で、親子で話ができるとよいですね。

おばあさまが孫の成長に携わってくれていたと思える時がきっと来ます

お年寄りは、身をもって、自然の摂理である「老い」を私たちに教えてくれています。老化現象を恥ずかしがったり、恐れたりする価値観から、もっと幅広いものの見方を学んでいきたいものです。

息子さんがいま感じていることや経験していることが、きっと人生の学びや、成長の糧になると信じましょう。

今すぐには分からなくても、おばあさまが孫の成長に携わってくれていたと思える時がきっと来ます。大丈夫です。お義母さまを優しく思いやれるあなたの息子さんなのですから。

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