Q185.マスクを外せない娘の気持ちがわかりません
小学校5年生の娘がマスクを手放せなくなりました。3月からマスクの着用が個人にゆだねられ、学校でも着用をしない子が増えてきました。その中で娘はマスクを外したくないと言っています。学校以外の外出にも必ずマスクを着用しており、娘に理由を聞くとマスクを外した顔を人に見られるのが恥ずかしい、緊張すると言います。私から見ればそんなに気にすることないと思うのですが、マスクを外すことに頑なになっている娘の気持ちがわかりません。どのように接したらよいのでしょうか。
A.娘さんの目線に立って接してあげましょう
娘さんとよりよくふれあいたいという思いが伝わってきます。でも、お母さんからすれば、なぜ外したくないのか、その理由がわからず、悩みますよね。もしかしたら、このままマスクを手放せなくなってしまうのかしらと不安になることもあるでしょう。
あるテレビ局の調査では、3月と4月のマスク着用率はほとんど変わっていないとの報道がありました。娘さんがマスクを外したくない状況は世間一般では当たり前であると受け止めることもできますね。
さて、小学5年生というと思春期をむかえ、ふれあい方にも配慮が必要です。この頃は、自分の内面を見つめられるようになり、周りの目を意識するようになる精神発達の上で大事な時期です。自分を見つめ他者と比べたりする中で、自己(アイデンティティ)を確立していきます。反抗的と思われる行動の裏にも、不安で繊細かつ複雑な感情があることを、お母さんが十分わかってふれあってあげるといいでしょう。大人にとってはたいしたことではないけれど、この時期の子どもにとっては重大なこともあります。若者の間では「顔パンツ」という新語も登場しましたが、マスクをつけることに慣れてしまい、人前でマスクを外すのは下着を脱ぐのと同じような抵抗を感じ、不安があるということです。
気持ちを受けとめることによってお互いにゆとりが出てきます
今回のように娘さんがマスクを外したくないと言う理由を尋ねることで、娘さんとお母さんの思いの食い違いがあることがわかりましたね。そのことが大事なことであり、お互いの思いを理解できる糸口になります。
まずは、子どもの心を「そうなんだね」「そう思うんだね」と話を聞いてあげ、マスクを外すのは恥ずかしい、という思いをきちんと受け取ってあげてください。そうすると、子どもはお母さんに気持ちをわかってもらえたと感じ、心が落ち着いて、お母さんの意見を聞くゆとりも出てきます。マスクを外す外さないは、娘さん本人の判断に任せてあげましょう。
気持ちをだしあえるチャンスととらえてみましょう
マスク問題は、社会の状況によって変化してくるかもしれません。こういうことをきっかけに、お母さんも日々悩みながら生活していることや、娘さんのことを大事に思っているありのままの気持ちを親子で話し合えるといいですね。その中で、お互いに自分の思いを見つめたり、相手の思いに気づいたりすることができます。今回お母さんがそうしたように、娘さんに一つ一つ丁寧に気持ちを聴いて歩んでいけば大丈夫です。応援しています。