09.子どもが物を投げるのをやめさせたいのですが
Q.1歳7か月の長女が、おもちゃなど、手にした物を投げるので困っています。そのつど叱るのですが、あまりガミガミ言うのもどうかと思います。反面、叱らないでいると、投げる行為がエスカレートするのでは、という不安もあります。どの程度叱っていいものか加減が分かりません。
A.娘さんは、投げることが大好きで、物がはずむ様子を見るのが楽しいのかもしれませんね。そんなときは、投げるのをやめさせるのではなく、投げてもいいように部屋の模様替えをしてみるのも一案です。投げてはいけない物、危ない物は、子どもの手の届かないところに移す。それも子どもへの思いやりです。
それでも、子どもの様子に四六時中神経をとがらせているわけにはいきませんから、投げてはいけない物を投げてしまう場合があるでしょう。そのときは、しっかりと叱ること。その際に注意する点は、幼児期の子どもに理屈は通用しないということです。「物が壊れるからだめって言ったでしょ!」などと言い聞かせても子どもはやめません。
大事なのは、ガミガミと言うのではなく、お母さんの「心」でしつけることです。
この時期の子どもは、「良いこと・悪いこと」を「快いこと・嫌なこと」という感情でまなんでいきます。快いことは進んでするようになり、嫌だと感じたことはしないようになります(快苦の法則)。子どもが「快・苦」を判断する決め手となるのが、お母さんの「顔」です。
子どもがいけないことをしたときには、「ママ悲しいな」と言って、心からとても悲しそうな顔をする。あるいは、怖い顔をつくって「これはだめなのよ」と言う。ぶったりつねったりするのではなく、手を軽くポンとたたいて「合図」をするのもいいでしょう。
逆に、手にした物を投げなかったら、それを見過ごさないことです。ひざの上に抱いて、満面の笑顔で、「えらかったね。ママうれしいわ」と喜んであげるといいでしょう。つまり、お母さんは、喜怒哀楽を子どもに伝える「女優」になるというわけです。
Point.子どもの立場に立つ
物を投げてもいい環境をつくることは、親自身の心構えをしっかりさせることにつながります。