28.子どもがまとわりついて困っています
Q.1歳9か月の長女が、母親の私から離れなくて困っています。最近は一人で買い物にも出かけられません。万事そんな調子で、実家に預けることもできないため、四六時中、娘と一緒にいます。ときには息抜きの時間がほしいのですが…。少しでも娘が離れてくれるには、どうすればいいのでしょうか。
A.幼児期の子どもは、全身全霊でお母さんを頼っています。他の人からどんなにかわいがられても、転んで痛い思いをすれば、「ママ」と言ってとんできます。子どもにとって、お母さんは唯一絶対の存在だからです。
そのとき大事なのは、頼ってくるわが子を、その場でしっかりと抱きしめ、子どもの心に共感することです。「痛かったね」と言ってなでてあげる。積み木一つでも重ねられたら、「よくできたね」と一緒に喜んであげる。そんなスキンシップと共感を繰り返していくことによって、子どもの心はお母さんからの愛情で満たされ、お母さんと子どもの心は信頼で結ばれます。
この時期の子どもは、「自分のことは自分でする」という「自立心」が芽生えますから、お母さんの愛情で心が満たされると、親への信頼が自信となり、子どもはだんだんと離れていくようになるものです。
逆に、子どもをうとましく思っていると、その感情が伝わり、子どもの心は安定しません。心が不安定になるので、余計にお母さんから離れられなくなるのです。
一日に何回でも子どもを抱いてあげましょう。母親というものは、子どもを肌で感じた瞬間、子どもへの愛しさが胸にわき起こってくるものです。子どもと一緒に花を見て「きれいだね」と感動したり、共に歌を歌ったり…。子どもと過ごす時間を楽しむ工夫も必要です。
Point1.自分の都合を捨て「無償の愛」で応える
子どもがそばに寄ってくるのは、親の愛情を確認したいから。忙しいとなかなかできにくいことですが、心をこめて抱きしめ、子どもの気持ちにすぐ応えてあげることが大事です。
Point2.固定観念はありませんか?
「1歳9か月にもなるのだから、そろそろ母親から離れてもよさそうなものだ」と決めつけていませんか? 歩くようになり、話もできるようになると、つい大人の基準で子どもを見てしまいがち。そのときその場で、いつでも子どもの心に寄り添いたいものですね。