Q196.受験を控える娘が二次元キャラにはまって推し活をしています。どうすればいいでしょうか?
4月から中学3年生になる娘が、二次元キャラのアイドルにハマって推し活をしています。
家にいるときはずっとスマホで動画を見たりしているので、これからの受験勉強が心配です。告白してくれる同級生の男子もいるようですが、理想の二次元アイドルと比べてしまい、まったくその気にならないようで、異性に対する意識もこのままでいいのか心配です。
主人に相談しても、「そんなの今だけだろ。放っておけばいい」と言って取り合ってくれません。娘とどのように向き合えばよいでしょうか。
A.何かに憧れたりハマったりすることは、精神的成長にとても大事なことです
春休み真最中ということで、娘さんと家で過ごす時間も増えたのではないでしょうか?
4月は新年度の始まり、大切な中学生最後の時期を迎えるにあたり、親として心の準備をされているご様子が伝わってきます。そんな中、娘さんが推し活に夢中とのこと。お母さんとしては色々と想像して心配になりますよね。
中学生ぐらいになってくると自分の中に理想や憧れが描き出されるようになり、それをとても大事にしたいと思う時期になります。ですから、娘さんが二次元キャラにハマっているのもとても自然なことだと言えます。
お母さん自身の中学生の頃を思い出してみてください。アイドルやスポーツ選手に憧れたり、映画やアニメの主人公にハマったりした経験が多少なりともあるのではないでしょうか。娘さんもまったく同じで、順調な精神的成長を遂げているということです。お母さんの憧れにもその時々で変化があったように、娘さんも今のままということではありません。
それでも今後のことが心配になるのは親だからこそですし、そんな親の思いを娘さんに伝えることも大切だと思います。ただし、その時に大事なことが一つあります。それは頭ごなしに注意しないことです。この時期は自尊心が高まり、自分を認めてほしいという思いがとても強くなる時期ですので、「まったく、受験を迎えるというのに何やっているの!」という気持ちで話をすると「お母さんは私の気持ちを全然理解してくれない!」と反発心も湧いてくるでしょう。自分が大事にしていることを否定されるのはとても悲しいことだからです。
一緒に楽しんでみては?その中でさりげなく気持ちを伝えてみましょう
まずは現在の姿を認めてあげてください。「このキャラのどんなところが好きなの?」「何がきっかけでハマったの?」など、娘さんの気持ちを聞いてあげることです。一緒に見たりして共通の話題ができるとなおいいですね。その中で、娘さんが大事にしていることや、パワーや癒しを得ていることなど、推し活の背景にある気持ちを垣間見ることができるかもしれません。
そのうえで「お母さんはこんなことが心配になってしまうんだけどどうかな?」と穏やかにこちらの思いを伝えると、娘さんなりに考えていることを話してくれるのではないでしょうか。
娘さんは今、受験に向かうための癒しの時間を過ごされているのかもしれません。お母さんが認めてくれることで、心のエネルギーが充電されれば、自分のやるべきことに力を発揮していけることでしょう。
また、異性に対する意識についてですが、自分の理想のアイドルがいると、同級生の異性に興味がもてないのは仕方のないことかもしれません。今は黙って見守るのがいいでしょう。見守りながらも、お父さんとお母さんが一緒に生活する中で、どんな喜びがあるかを日常の中でさりげなく伝えてみてください。うれしいことは共に喜び、困ったときにはお互いに支え合い、娘さんがいることで夫婦が幸せでいられることを、時には言葉に出してみることで、娘さんの中の将来の選択肢が広がっていくかもしれません。
勉強も恋愛も親だからといって代わってあげることはできません。受験勉強をしなければならないことは本人が一番わかっているのです。自己確立に向かうこの時期に親ができることは、娘さんが自分の力を十分に発揮できるよう気持ちを安心させてあげることです。娘さんを信じて見守っていきましょう。