71.ケガをさせられた息子の友達関係が気になる
Q.誰が一番石を遠くへ投げられるかと遊んでいて、友達の石が小学3年生の長男の頭に当たりケガをしました。長男に聞くと、友達にわざと当てられたといいますが、事実は分かりません。そばにいた一人は、何が面白かったのか、石が当たった時に笑っていたことも分かりました。ケガをしたことは相手の親に伝え、謝ってくれましたが、気持ちのモヤモヤが晴れません。友達との付き合いを止めさせるのは行き過ぎでしょうか。
A.何をして遊んでも、本来、子どもたちの自由ですが、それは、人に迷惑をかけるような遊び、危険な行為は絶対にしないという大前提が守られていればの話です。石を当てられ、それを笑う子もいたなどと聞けば、親なら誰でも憤りを感じずにはいられませんし、たいしたことじゃない、子どものやったことなどというような態度で謝られても、心が晴れないのもわかります。
ただ、子どもはいろいろな友達とつきあう中で社会性を身につけ、たくましく成長していくものです。従って、親が憤りの感情のままに行動するのではなく、友だちづきあいは子どもに任せる冷静さが必要なのです。貴女はそれが出来る聡明なお母さんだと私は思います。
そして、子どもに「友を選べ」と教えるよりも、「善き友となれ」と育てていくことが大切なことなのです。もう一度石を当てた子どもと親御さん、我が子の4人で話し合ってはいかがでしょう。被害者として会うのではなく、「子どもたちを見守っていける仲間でいたい」というお母さんの温かい思いを伝えるのです。今後はケガをすることのないよう、子どもたちに「危険なことはしない」とわかってもらうように触れ合うことが大事です。
また、笑ったという子どもには、人の痛みを感じることが出来るように「いつも仲良く遊んでくれてありがとう。あぶないことがないように、これからも頼むね」と思いやりの心で触れ合えたらいいですね。
我が子のケガを一つの縁として、相手と共により善い方向に変わっていく――そんな「社会の親」になりたいものです。