75.登下校時の子どもの安全性に不安
Q.最近、幼い子どもが巻き込まれる事件が増えています。うちの子は、今年、小学校にあがったばかりで、登下校の間に、何か悪い事が起きてしまうのではないかと、気が気ではありません。
A.本当に、気が気ではありませんね。だからといって、学校にまでついていくわけにはいきませんから、やはり、「知らない人から声をかけられても、決してついて行ってはいけないよ。登下校の時は、お友達と一緒に行動してね。一度、おうちに帰ってから遊びに行くのよ。お母さん、あなたに何かあったら悲しいわ」と、繰り返し、言い聞かせることが大切です。そうすることで、仮に、言葉の意味が分からなくても、子どもの心には、「お母さんが心配しているんだ」という思いがちゃんと残るものです。
また、子どもの親同士が連携を図ることも必要です。「うちの子、遊びに行ってる?」「何時ごろ帰ったわよ」と、情報を交換できれば、子どもの行動が確認できて安心ですね。さらに、近所の八百屋さん、通学路に面した家に住む人にも、「子どもたちが通りますから、よろしくお願いします」と普段から声をかけ、地域にネットワークを築いておくとよいでしょう。そのためには、まず、お母さん自身がだれとでも言葉を交わし、地域に溶け込んでいける大人になることです。親の姿を見て、子どもはコミュニケーションの仕方を学んでいきます。見知らぬ人に誘われた時、「ぼく、行かないよ」と自己主張できることも、コミュニケーション能力の一つなのです。
防犯グッズの活用や、学校との連携も大切なことです。しかし、子どもが二度と悲しい事件に巻き込まれないためには、地域の中に、お互いの子どもを温かい目で見守ってあげられるネットワーク、環境を築かなければならなりません。昨今の悲しい事件の数々は私たちにその必要性を教えてくれているのではないでしょうか。